廃炉作業が進む福島第一原子力発電所3号機では、使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業が続いていますが、東京電力は、課題となっていた、事故で一部が変形し引き上げることができなかった核燃料を特別な装置を使って取り出す作業を終えたと発表しました。
福島第一原発3号機では、使用済み燃料プールの中にある566体の核燃料をおととしから順次、構内の安全な施設に移す作業を行っています。
このうち4体の核燃料は、事故の時にプールに落下したがれきによって、燃料上部にある取っ手の部分が大きく変形し、通常の装置では引き上げられないことが課題となっていました。
このため、東京電力はメーカーと協力し、取っ手の部分が変形していても、つかんで引き上げられるよう形状を工夫した装置を開発し、今月から4体の取り出しに着手し、今週取り出しを終えたと発表しました。
引き上げた際、健常な通常の燃料と異なり、やや傾いてつり上がる形になったということですが、安全上の問題はなく、作業を終了したということです。
これで、3号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業は一つの山場を越え、残された核燃料は22体となり、東京電力は来月までに、すべての取り出しを終える計画です。【NHK】