福井県内の原子力発電所から出る使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」について、関西電力と国は、2023年末までに最終的に候補地を確定させる方針を福井県に伝えました。候補地の提示は2年後に先延ばしされる形ですが、杉本知事は一定の前進があったとして運転開始から40年を超えた原発の再稼働について議論を始める姿勢を示しました。
関西電力は「中間貯蔵施設」について、原発がある福井県以外の場所に設置する方針で、これまでは2020年ごろを念頭に、できるだけ早く候補地を示すとしていました。
これについて関西電力の森本孝社長が12日に県庁で杉本知事と面談し「青森県むつ市の中間貯蔵施設を電力各社で共同利用する案も選択肢の1つとして、国と一体となって取り組む」と述べ、2023年末を最終的な期限として候補地を確定させる方針を正式に伝えました。
また、面談にオンラインで参加した梶山経済産業大臣は「使用済み核燃料については政策の当事者として、しっかり取り組んでいく」と述べたうえで、運転開始から40年を超えた原発の再稼働への理解と協力を改めて要請しました。
これを受けて杉本知事は「国と事業者がともに示した計画どおりに2023年までに確定していただきたい。再稼働について県議会などと議論して、今後の対応を検討していく」と述べ、一定の前進があったと評価し、再稼働についての議論を始める姿勢を示しました。
杉本知事は、これまで再稼働の議論を始める前提として、中間貯蔵施設の候補地の提示を条件としていましたが、提示の時期は事実上2023年末まで先延ばしされる形です。
また、東京電力が青森県むつ市に建設中の中間貯蔵施設を巡っては、地元のむつ市が電力各社の共同利用案に強く反対する姿勢を示していて、実現のめどはたっていません。【NHK】