岡山県にある原子力機構の「人形峠環境技術センター」のウラン濃縮施設は、原発の核燃料に使うウランを濃縮する国内初の施設として昭和63年に操業を開始し、20年前に運転を終えました。
その後、原子力機構は、機器に付着した放射性物質を取り除く除染などを行ったうえで、3年前、施設の廃止計画をまとめ原子力規制委員会に申請していました。
これについて規制委員会は20日の会合で、計画内容は妥当だと判断し、認可しました。
計画によりますと、およそ20年かけてウランの濃縮を行った遠心分離機などの設備を解体する予定で、費用はおよそ55億円かかるとしています。
また、解体に伴い低レベルの放射性廃棄物がおよそ1200トン発生する見通しで、処分先については今後、検討するとしています。
原子力機構のウラン濃縮施設は技術開発を目的におよそ350トンのウランを試験的に生産しました。
現在、国内では日本原燃が技術を継承し、青森県に濃縮施設を建設し運営しています。
原子力規制委 委員長「解体に固有の難しさ」
岡山県にある原子力機構のウラン濃縮施設の廃止計画を認可したことについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は「ウラン濃縮施設のような加工施設では、気体や液体になった状態の放射性物質を取り扱ってきた。その点で、一般の原発の廃止に比べると、解体に固有の難しさがある」と述べ、解体作業の安全管理などを注視する考えを示しました。
【NHK】