関西電力は14日、定期検査中だった大飯原発4号機(福井県おおい町)を15日に起動させ、運転を再開すると発表した。17日に発送電を始め、2月中旬に営業運転に移行する。関電では昨年11月3日に大飯4号機が定期検査に入ってから運転中の原発がゼロになっていたが、約2カ月で解消することになった。
寒さの影響で関電管内では12日に最大電力需要が2596万キロワットを記録し、電力使用率が99%に達するなど厳しい需給状況に。大飯4号機は出力118万キロワットで、運転再開すれば供給が上積みできるものの、厳しさは続くとみられる。
◆高浜3、4号機の配管損傷 長期運転で溶け出した鉄分が固まり金属片に
一方、関電高浜原発3、4号機(福井県高浜町、ともに定期検査中)で2018年以降に蒸気発生器(SG)の細管損傷が相次いで見つかった問題で、関電は14日、この2基は長期間の運転で冷却水中の鉄分が固まる「スケール」と呼ばれる金属片ができやすく、細管にこすり傷をつけたのが原因だと発表した。
高浜3、4号機のSGは1985年の営業運転開始から1回も交換しておらず、関電の原発で最も古い。長年の運転で配管から冷却水に溶け出した鉄分が多かったため、固いスケールができたとみられる。関電の他の原発はSGが新しいことなどから、スケールはわずかだった。
関電は、これまで損傷原因を異物の混入とみていたが、誤りだった可能性がある。今後、新たな対策をまとめて原子力規制委員会に報告する。【東京新聞】