去年から福島第一原子力発電所の事故原因の調査を再開した原子力規制委員会は、18日、報告書の素案を示したうえで、年度内に正式な報告書としてとりまとめることになりました。
来年3月で10年となる東京電力・福島第一原発の事故ではメルトダウンが起き、3つの原子炉建屋で水素爆発が起きました。
事故原因などの調査を去年、再開した原子力規制委員会は18日、報告書の素案を示しました。
この中で、これまでよくわかっていなかった水素爆発の詳細について3号機の映像を分析した結果、最初の爆発のあと燃え残った水素と可燃性のガスによる燃焼が連続して起きたと推定されるとしています。
ただし可燃性のガスがどこから発生したかは、現時点ではわからないということです。
また、メルトダウンを起こした3つの原子炉の中にあった放射性物質の一部の行方がわかっていませんが、調査の中で、原子炉の上にあるふたの裏側に大量に付着していることがわかり、どのように放射性物質が漏れ出したか、実態の解明につながるとしています。
このほか事故当時3つの原子炉で内部の気体を外に放出する「ベント」を試みましたが、一部の気体が建屋に逆流した可能性があるとしています。
規制委員会は、年度内に正式な報告書としてとりまとめることにしています。【NHK】