国は17日、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の設置許可取り消しを命じた4日の大阪地裁判決を不服として、控訴した。原発の地震リスク評価を巡る原子力規制委員会の安全審査の妥当性について高裁であらためて争われることになる。
原子力規制庁の担当者は17日、「安全審査に過誤、欠落はない。地裁判決は到底受け入れがたく、上級審の判断を仰ぐ必要がある」と説明した。原告の弁護団は「国は安全審査をやり直すのが義務であり、控訴するのは暴挙だ」とのコメントを発表した。
大阪地裁判決では大飯3、4号機の再稼働を認めた規制委の安全審査について「審査すべき点をしておらず違法だ」として、国に設置許可の取り消しを命じた。11年の東京電力福島第1原発事故を踏まえて新規制基準ができてから、国が出した設置許可を取り消す判決は初めてだった。
規制委は16日、大飯原発の地震評価を巡る安全審査について見解文をとりまとめ、「各種の不確かさを十分に反映した地震動評価を行っていることを確認している」と反論していた。【日本経済新聞】