東北電力にとって宮城県議会の同意は再稼働に向けた大きな一歩だ。同社の樋口康二郎社長は従来より「安全対策工事が完了し、地元同意が得られ次第、速やかに再稼働したい」との意向を示している。ただ、原子力規制委員会の審査は手つかずの工程が多く、安全対策工事の完了時期も2022年度以降だ。再稼働へ道のりはまだ長い。
女川原発2号機については原子力規制委による、詳細な設計に関する「工事計画認可」の審査が進んでいる。東北電は原子力規制委への説明が21年6月までと想定。20年11月中に補正書を提出することで、基本設計の変更を反映させた書類がそろうが、原子力規制委の担当者は「審査はまだ序盤」と話す。
工事計画が認可されれば、新規制基準施行後に追加された安全対策設備の工事に着手できる。運用面を審査する「保安規定変更認可」や使用前検査の申請などの工程も続く。テロ対策施設「特定重大事故等対処施設」は工事計画認可から5年以内の整備が必要だ。当面は工事計画がいつ認可されるかが焦点となる。【日本経済新聞】