原子力発電所をめぐって元経営幹部らが多額の金品を受領していた問題について、関西電力の森本社長は外部との接触が少ない原子力部門の社員がより視野を広げられるよう、他部署への異動や住民から意見を聞く活動などの対策を進めたいと原子力規制委員会に説明しました。
関西電力では、去年秋、元経営幹部らが高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から3億円を超える金品を受け取っていたことが明らかになったほか、減額した役員の報酬をひそかに補填(ほてん)していたことが発覚するなど不祥事が相次いでいます。
9日は、原子力規制委員会と電力各社のトップが意見交換する会にことし3月に就任した森本孝社長が出席し、冒頭、不祥事について陳謝しました。
そして、「コンプライアンス委員会」の設置や原子力事業本部に監督強化のために役員を配置したことなどを説明しました。
そのうえで、「原子力部門は外からの目線を経験する機会が少ないと感じる。より視野を広げる機会を作りたい」などと述べ、他部署への異動や地元住民から意見を聞く活動などにも力を入れたいと話しました。
会合のあと、森本社長は記者の取材に応じ、金品受領問題によって社会の信頼を失ったことが会社として大きな痛手だったと答え、引き続き信頼回復に取り組むと強調しました。
また、金品受領問題が発覚してまもなく1年となることについて「お客様や社会の信頼を裏切る行為となり、大変重く受け止めている。社会の信頼を失ったことが会社として大きな痛手だった。また、発電所を含めた現場は役員などの問題に大変な憤りをもっている。今後、関西電力が再び社会の皆様から信頼されるようになり、社員が関西電力で働くことにやりがいや誇りを持てる会社にできるよう、継続してコミュニケーションを取りながら取り組んでいきたい」と話していました。【NHK】