福島第一原発の事故に対応するため、計画していた職員の削減が行えなかったとして福島県は東京電力に対し、人件費などおよそ9000万円の損害賠償を求める訴えを裁判所に起こす方針を固めました。県によりますと、原発事故の賠償をめぐって自治体が東京電力に訴えを起こすのは初めてだということです。
福島県は、行政改革の一貫として、平成23年度からの5年間で職員を350人減らす計画を立てていましたが、その直前に発生した原発事故への対応のため計画どおり削減できなくなったとしています。
このため県は、東京電力に対し、削減できなかった人件費と弁護士費用として、合わせておよそ9000万円の損害賠償を求める訴えを福島地方裁判所に起こす方針を固めました。
県はこれまで、原発事故の対応で生じた人件費について国の紛争解決センターに申し立てて東京電力と話し合いを続けてきました。
しかし、センターが示した和解案では職員の残業代など10億円程度の賠償は認められたものの、職員を削減できなかった分は含まれなかったため提訴する方針を固めたと言うことです。
県によりますと、原発事故の賠償をめぐって自治体が東京電力に訴えを起こすのは全国で初めてだということです。
県は、9月、開かれる県議会の定例会で関連の議案を提出し、議決され次第、手続きを進めて10月にも提訴する方針です。【NHK】