いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定で、後志の寿都町が調査への応募を検討していることをめぐり、鈴木知事は、黒松内町など隣接する3つの町と村の町村長と会談し、寿都町に対して近隣自治体の意見を尊重し、慎重に検討するよう求めることで一致しました。
原発の使用済み核燃料から出る「高レベル放射性廃棄物」、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐっては、寿都町の片岡春雄町長が選定の第一段階となる「文献調査」への応募を検討していて、来月中旬にも応募するか決めることにしています。
これに対し、寿都町に隣接する黒松内町と、蘭越町、島牧村の3つの町と村の町村長は、近く、寿都町に申し入れを行うことにしていて、これを前に、20日夕方、道庁で鈴木知事と会談しました。
この中で、島牧村の藤澤克村長は、「寿都町に対し、近隣自治体の意見を尊重するとともに、検討には時間が必要で、十分に熟慮してほしいと申し入れる」としたうえで、鈴木知事にも近隣自治体の意見を踏まえて積極的に対応するよう求めました。
これに対し、鈴木知事は、「私も同じ思いだ。限られた時間になるかもしれないが、連携して取り組んでいきたい。国にも、皆さんの声を伝えていく」と述べ、寿都町に対し、近隣自治体の意見を尊重するとともに、時間をかけて慎重に検討するよう求めることで一致しました。
鈴木知事との会談のあと、寿都町に隣接する蘭越町の金秀行町長は、記者団に対し、「これだけ大きな不安と影響があることを、1つの町だけで解決できるものなのか、不安に思っている。寿都町には再考を求めたい」と述べました。
寿都町の片岡春雄町長は、札幌市内でNHKの取材に対し、先に、鈴木知事が「1か月で判断するのは拙速だ」と発言したことについて、「拙速でも何でもない。去年から勉強会を行って段階を踏んでいるので、何を根拠に『1か月』と言っているのか分からない。もう少し調べてから発言してもらいたい」と述べ、不快感をあらわにしました。
そのうえで、鈴木知事と直接、面会する予定があるかについて、「その予定はない。鈴木知事が寿都町に来るなら会ってもいいが、考えは平行線で、話すことはないし、こちらから会いに行くつもりはない」と述べました。【NHK】