四国電力が愛媛県の伊方原子力発電所で計画している、使用済み核燃料を空気で冷やして保管する乾式貯蔵施設について、原子力規制委員会は計画に問題はないとして、事実上の合格を示す審査書案を取りまとめました。
乾式貯蔵施設は、冷却に水を使わず地震に強いなどとして、導入を計画する電力会社が増えています。
四国電力は、伊方原発でたまり続ける使用済み核燃料の保管場所を確保するため、空冷で核燃料の熱を取り去る特殊な容器に入れて保管する、乾式貯蔵施設の設置を計画していて、原子力規制委員会が安全性などに問題がないか、おととしから審査を進めていました。
これについて規制委員会は24日、耐震性や放射線をさえぎる能力など、計画に問題はないとして、審査に事実上合格したことを示す、審査書案を全会一致で取りまとめました。
乾式貯蔵施設は、原発で主流の水を満たしたプールで冷却して保管する方法に比べ、構造がシンプルで地震に強いとされ、水で冷やす電源も必要としないことなどから、九州電力の玄海原発や中部電力の浜岡原発でも導入が計画されています。
四国電力は、令和6年度から乾式貯蔵施設の運用を開始する計画です。【NHK】