関西電力は26日、森本孝社長ら取締役6人について、2019年度の報酬を開示した。金額は4000万~5000万円台で、森本社長の5900万円が最も多かった。上場企業が個別開示を義務付けられている報酬1億円を下回る水準で氏名と報酬額を公表するのは異例。役員らによる金品受領問題からの信頼回復に向け、経営の透明性向上につなげる狙いだ。
同日公表した定時株主総会の招集通知に盛り込んだ。弥園豊一副社長ら5人は4600万~5800万円だった。社外取締役のほか、金品受領問題を受けて年度途中で引責辞任した岩根茂樹前社長や八木誠前会長らの報酬は個別に開示しなかった。役員報酬の個別開示は筆頭株主の大阪市なども提案していた。
一連の問題を調べた関電の第三者委員会は3月に報告書を公表し、福井県高浜町の元助役(死去)らからの金品受領者は75人、総額は約3億6000万円相当に上ったとまとめた。11年の東日本大震災後に減額した役員報酬の一部を、退任後に秘密裏に補填していたことも判明した。
第三者委は問題の根本的な原因は関電の「内向き体質」にあると指摘、企業体質や企業風土の改革を求めた。【日本経済新聞】