関西電力は31日、高浜原子力発電所(福井県高浜町)で作業員が死亡した事故を受け、同原発で進めている安全対策工事などの工程を見直したと発表した。1号機では完了時期のメドを5月から9月に変更した。これに伴い、早ければ6月とみられていた再稼働時期は今秋以降にずれこむ。
ほかに2号機の工事完了は2021年1月から同4月に、美浜原発(同県美浜町)3号機は7月から9月になる見通し。原発再稼働はコスト削減につながるが、こうした収益改善効果が遅れることになる。高浜原発3、4号機のテロ対策施設工事の完了予定も11月から12月に変えた。
事故は3月13日に高浜原発1、2号機の敷地内にあるトンネルで発生し、協力会社の作業員がトラックにはねられて死亡した。関電は再発防止策をとりまとめると同時に、各原発の大規模工事について要員配置や作業期間の調整に余裕を持たせた工程に見直した。
【日本経済新聞】