愛媛県にある伊方原子力発電所3号機で、定期検査中のことし1月以降、トラブルが相次いだことについて、26日、原子力規制委員会で会合が開かれ、原子炉の制御棒が引き抜かれたトラブルに関して集中的に議論が行われました。
四国電力の伊方原発3号機では、定期検査に入っていたことし1月以降、原子炉の出力を調整する制御棒1本を誤って引き抜いたほか、電源を一時喪失するなどトラブルが相次ぎました。
これについて、四国電力が先週まとめた報告書の内容について、規制委員会の事務局による会合が開かれました。
26日は、トラブルの中でも制御棒の引き抜きについて集中的に議論が行われ、四国電力の担当者は、原子炉のふたにある引き抜き装置に金属の酸化物がこびりついたことなどで、ふたと制御棒がくっついたまま一緒に引き上げられたことが推定されると、引き抜きの原因を説明しました。
規制委員会によりますと、制御棒が誤って引き抜かれるトラブルは、海外では事例があるものの国内では初めてということです。
このため、規制委員会の事故担当の職員からは、事前の動作チェックの確認手順などについても四国電力に質問が出されていました。
四国電力の報告書の内容が妥当かどうかは、今後、規制委員会の委員が参加した定例会合で最終的に判断されます。【NHK】