原子力規制委員会の検査制度についてIAEA=国際原子力機関はことし4月から始まる抜き打ち検査の導入など見直し内容を評価した一方、緊急事態に備えた訓練などの実施を提言しました。
IAEAは各国の求めに応じて原子力の規制機関の評価を行っていて日本の原子力規制委員会は今月14日からヒアリングなどを受けていました。
その結果が21日公表され、ことし4月から規制委員会が予定している検査制度の見直しについて「評価する」としました。
具体的には、これまでは時期を決めて実施していた検査を改め、いわゆる「抜き打ち」検査を導入するほか、書類の確認を重視する方法から設備や機械の状況を現場で確認する検査に、重きを置く内容に変える予定です。
一方で、IAEAは放射性物質を車で輸送する際、交通事故で容器が壊れて周囲が汚染されるといった緊急事態に備えた訓練などの実施を提言していて、詳しい内容は、今後まとまる正式な報告書の中で示される予定です。
IAEAは全体的な評価としては「福島第一原発の事故の前と比較して検査制度は改善されている」と総括しています。原子力規制委員会では今後の検査制度の見直しに生かしていくとしています。【NHK】