関西電力の役員が、高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受領していた問題で、同社の幹部が十八日、滋賀県庁を訪れ、三日月大造知事と面談して経緯などを説明した。三日月知事は、全容を解明し、説明責任を果たすよう求めた。
高浜原発から三十キロ圏内に、同県高島市の一部が含まれることなどから、関電側から説明の申し入れがあった。関電の稲田浩二副社長が、これまで同社が記者会見で公表した内容と、経営側としての考えを改めて説明。「滋賀県、県民の皆さまの信頼を裏切った。信頼回復に努めていきたい」と陳謝した。
三日月知事は「極めて遺憾。公益企業としての信頼を大きく失墜させる、憂慮すべき事態」と非難。地域における電力の安定供給と災害対応のためにも、現場の社員らの士気が落ちないように、対応を求めた。
また、「原発の再稼働や安全協定が、一企業の一部の層と、(立地自治体の)一個人との不透明な関係の上で築かれているというのであれば、原発行政のあり方が問われる事態」と指摘。自治体によって関電との安全協定の内容に差が生じている状況を踏まえ、「万が一のことが起これば、被害が及ぶエリアに県境は存在しない。今後の自治体との関係づくりについて、新たなルール作りに取り組んでほしい」と求めた。
関電側はこれまでに、高島市と長浜市も訪れ、同様の説明をしたという。【中日新聞】