関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から金品を受領していた問題で、関電は元助役が顧問を務めていたとされる建設会社「吉田開発」(同町)を工事への競争入札に一時的に参加させない「指名保留」の措置を取った。措置は3日付。
関電は当初、吉田開発への発注について違法性はないとしていたが、元常務執行役員の大塚茂樹氏(9日付で辞任)が同社から現金100万円や商品券40万円相当を受領していたことが判明。「社会から疑義を持たれた」(広報)として指名保留に踏み切った。
ただ、元請けを通じた発注は可能。また同社以外の企業が工事を請け負えない場合には、特命発注をする可能性があるという。
将来的な対応は、社外の弁護士で構成する第三者委員会の調査結果を受けて決めるとしている。
関電が昨年9月にまとめた社内調査の報告書によると、平成26年9月~29年12月に関電や元請けが同社に発注した113件の工事のうち83件で、関電が森山氏側に概算額などの工事情報を事前に提供していた。関電は現在も高浜原発での「山道巡視」業務で同社と契約を結んでいる。【産経新聞】