原子力規制委員会は19日、東北電力女川原発1号機(宮城県女川町、石巻市)の廃炉工程を示す「廃止措置計画」の審査を始めた。東北電は規制委の計画認可や立地自治体の了解を得て、2020年度中に着手したい考え。
東北電は、34年を要する廃炉期間を4段階に分け、第1段階の8年間で取り組む作業を中心に説明した。使用済み核燃料821本は3号機のプールに移し、各施設の放射性物質の汚染状況を調べて有効な範囲を除染するとした。
隣接の2号機は再稼働に向けた審査が最終盤で、3号機も今後再稼働を申請する方針。東北電は「2、3号機の運転に必要な施設の機能に影響を及ばさないよう工事を実施する」と主張した。
規制委は(1)使用済み核燃料を金属製の専用容器で空冷する「乾式貯蔵」を採用しない理由(2)2号機の津波対策として1号機の取放水路を狭くする工事による影響-などについて次回以降の回答を求めた。
1号機の廃炉費用は約419億円を見込む。解体で生じる推定約6140トンの低レベル放射性廃棄物は、処分先が決まっていない。
【河北新報】