世界で民生用として初めて海上に浮かんで設置されるロシアの船舶型の原子力発電所が23日、北部ムルマンスクを出港した。北極海を航行し、今年中に稼働する見通しだ。
この原発は10年以上かけて建造された「アカデミク・ロモノソフ」で、2基の原子炉を搭載する。全長144メートル、幅30メートルで、1か月ほどかけて米アラスカ州に近いロシアのチュコト自治管区のペベク港に到着する。自力航行はできず、タグボートに引航される。露国営原子力企業「ロスアトム」が運営して地元住民や鉱物開発企業に電力を供給する計画だ。
環境保護団体からは、1986年に史上最悪の放射能汚染を引き起こした原発事故になぞらえ「海のチェルノブイリ」と、海洋汚染を懸念する声も上がっている。【読売新聞】