柏崎刈羽原子力発電所で重大な事故が起きた際の住民の避難経路に指定されている柏崎市の山あいの道路を23日、内閣府の原子力防災の担当大臣が視察し、雪の多い地域での避難経路の課題を確認しました。
柏崎刈羽原発で重大な事故が起きた際、原発から30キロ圏内の住民は避難することが求められていますが、冬の雪深い時期などに実際に道路を通行できるのか、課題が指摘されています。
こうした中23日、原子力防災を担当する内閣府の原田特命担当大臣が柏崎市の避難経路を視察しました。
視察が行われたのは、市内から十日町市を経て避難所がある上越市へと続く国道や県道で、柏崎市の桜井市長が原田大臣にこれらの道路は道幅が狭く、冬は除雪が必要で雪崩の危険もあると説明しました。
視察を終えた一行は刈羽村の品田村長も加わって意見を交わし、桜井市長は「除雪や雪崩対策など、避難経路の充実にお力添えを賜りたい」と道路環境の改善を要望しました。
これに対し原田大臣は「関係省庁と連携してできるかぎりのことをしていきたい」と述べ、避難の安全の確保に力を尽くす考えを示しました。
避難経路の山あいを抜ける道は、ところどころで崖が迫っていて、14年前には雪崩が起き、車が川に転落する事故も起きています。
地元自治体の対応だけでは避難経路の安全の確保に限界があり、いざというときに本当に避難できるのか、最悪の事態も想定した対策が求められています。【NHK】