全国の原子力発電所で新たに設置が義務づけられたテロ対策の施設の建設が遅れている問題で、原子力規制委員会は、設置期限の1週間ほど前までに検査に合格しなければ運転の停止を命じる方針を決めました。再稼働している9基の原発では来年3月以降、順次期限を迎えますが、各社は間に合わないなどとしていて、停止の可能性が高まっています。
原子力規制委員会はことし4月、テロ対策などのために原発に設置が義務づけられている予備の制御室や電源などを備え、遠隔で原子炉を冷却できる施設について、再稼働の前提となる審査に合格してから5年の期限までに完成しない場合、運転の停止を命じることを決めました。
12日開かれた委員会では、具体的な手続きとして、期限の6週間ほど前までに施設が使用前の検査に合格していない場合、電力会社に弁明の機会を与えたうえで期限の1週間ほど前に運転の停止を命じる方針を決めました。
電力各社は、全国の7原発13基でテロ対策の施設の建設が期限に間に合わないか、めどが立っていないとしていて、このうち5原発9基がすでに再稼働しています。
最も早い鹿児島県にある川内原発1号機は来年3月に期限が迫っていて、そのほかの原発も含め停止の可能性が高まっています。【NHK】