東京電力福島第1原子力発電所事故の直後に収束作業の拠点となった福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)が20日、約8年ぶりに営業を全面再開した。既存の施設に加え、大規模会議室を備えたホテルや全天候型の屋内練習場が新たに整備された。
2020年の東京五輪で聖火リレーの出発地となることが決まっており、原発事故の影響が残る県沿岸部の復興を後押しする役割も担う。
Jヴィレッジは1997年、国内初のサッカーのナショナルトレーニングセンターとして開設されたが、原発事故後は営業を休止した。被ばくの有無を調べる装置や作業員が泊まる宿舎が置かれ、17年3月まで、政府や東電が原発事故の収束作業の拠点として利用した。
同4月から芝の張り替えなどの工事が進み、18年7月には大部分の主要施設が再開した。全面再開に向け、残るピッチ2面の復旧を進めていた。
今年2月にサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が強化合宿を実施したほか、東京五輪の男子・女子日本代表が事前合宿を行う予定だ。聖火リレーは20年3月26日にJヴィレッジからスタートする。
全面再開に合わせ、JR東日本が常磐線に最寄り駅「Jヴィレッジ」を新設、20日朝に一番列車が同駅に到着。イベント開催に合わせ停車する臨時駅として利用される。
【共同通信】