福井県は4月9日、県内原発の2018年度運転実績を発表した。総発電電力量は商用炉8基(出力計773・8万キロワット)のうち、関西電力大飯3、4号機と高浜3、4号機の稼働で314・8億キロワット時となり、11年の東京電力福島第1原発事故後初めて、300億キロワット時を超えた。
11年度の総発電電力量は333・1億キロワット時で、それ以降は原発が順次停止。14、16年度はゼロだった。17年度は137・4億キロワット時だった。
稼働実績をプラント別にみると、18年3月に発電を開始した大飯3号機が106・2億キロワット時、同5月に発電を始めた大飯4号機は93・6億キロワット時。高浜の2基は18年度に定期検査を行い、高浜3号機は58・6億キロワット時、高浜4号機は56・3億キロワット時だった。プラントの運転時間の割合を示す時間稼働率は41・5%で、発電能力に対する実際の発電量の割合を示す設備利用率は46・4%となった。
安全協定に基づき報告されたトラブルは6件で、17年度比2件増。そのうち、2件が国への法令報告事象だった。定検中の故障が4件、労働災害が2件あった。
新燃料の輸送は高浜3、4号機と大飯3号機用の計200体。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料はなかった。廃炉作業が進む日本原電敦賀1号機用の新燃料36体を燃料加工メーカーに返送したことで、発電所での保管はなくなった。
美浜、高浜の低レベル放射性廃棄物2800本(200リットルドラム缶)を青森県の日本原燃埋設センターに運んだ。一方、放射能濃度測定プログラムの不具合で埋設されなかった14本が敦賀原発に返送された。【福井新聞】