東京電力福島第1原子力発電所事故の避難指示が解除された福島県10市町村の小中学校計28校で、児童・生徒数が事故前の6710人から769人と、約11.4%に減ったことが8日、各教育委員会への取材で分かった。
2018年春に再開・新設した5町村では約3.5%で、このうち川俣町の山木屋小は19年春に児童数がゼロになり、休校する見通し。将来の復興の担い手となる子どもの減少に、関係者は危機感を強めている。
対象は南相馬市小高区、浪江町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、川俣町山木屋地区、葛尾村、田村市都路地区、川内村で、国や市町村による避難指示が解除された地域。事故前の10年度は計36校があったが全て避難し、18年度までに28校が再開したり、既存の学校を集約して新設したりした。
減少幅が大きいのは、10年度の1773人から7人に減った浪江町と、1487人から23人に減った富岡町で、ともに18年春に学校を再開・新設した。山木屋小は現在の6年生の5人が卒業した後は新入生もおらず、児童がいなくなる。
事故翌年の12年春に再開した広野町と川内村でも、児童・生徒数は事故前の40%程度。川内村では避難先からの帰還が比較的進み、住民票がある人の約80%が村で暮らしている。しかし村によると、帰還するのはお年寄りが多く、子どもの帰還の動きは鈍いのが現状という。【共同通信】